拉致認定せず 政府は「特定失踪者868人」を見捨てるのか
「868人は、政府が正式に発表した数字ではない」――。11日の外国特派員協会での菅官房長官の講演では、拉致調査への言及も注目された。冒頭の発言は米ブルームバーグの記者から「失踪者は868人いる。政府が言う拉致問題の『完全な解決』とは、どのような形なのか」と聞かれて答えたものだ。
日本政府が「北朝鮮に拉致された」と認定したのは、横田めぐみさんら17人。うち曽我ひとみさんら5人は帰国を果たした。868人はいわゆる特定失踪者の数で、全国の都道府県警が「北に拉致された可能性が排除できない」として捜査している失踪者を指す。
「868人という数は2012年12月、警察庁が拉致被害者の支援団体の情報公開請求に答えたものです。失踪者の数を1ケタまでオープンにしながら、今さら『政府が正式に発表した数字ではない』とはいかがなものか」(北朝鮮ウオッチャー)