読売“A紙対策”余波 消費増税「軽減税率」署名が集まらない
さらに追い打ちをかけているのが、朝日の誤報に乗じた読売の読者奪還プロジェクトだ。「A紙対策」と称して、朝日の慰安婦報道を非難する小冊子などを大量に作製、配布してきたが、このネガティブキャンペーンが署名活動の足並みを乱す元凶になっている。前出の読売の販売店関係者が言う。
「宅配する新聞は違っても、同じエリアの販売店同士は新聞販売同業組合の活動などを通じて、横のつながりが強いんです。他社の顧客を奪う行為に出れば、同業者から白い目で見られるだけ。ましてや全新聞社を挙げて軽減税率適用の署名活動を展開するなら、なおさら横のつながりを大事にすべきでしょう。朝日の公称部数は660万部で、全新聞購読者に占める割合は相当なもの。“朝日叩き”に走るライバル紙は朝日購読者の軽減税率を求める署名が、ごっそり抜け落ちてもいいのでしょうか。我々への指示は矛盾しているし、溺れた犬を棒で叩くのは慎むべきですよ」
消費税を上げなければ国家財政が破綻するように報じながら、裏で「消費税をまけて」と権力にスリ寄る。自己矛盾だらけの大新聞を象徴するような話だ。