倉持麟太郎
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倉持麟太郎弁護士

1983年生まれ。慶大法学部を経て中大法科大学院卒。2012年弁護士登録。第二東京弁護士会所属。15年3月、日本弁護士連合会・憲法問題対策本部幹事、15年4月、第二東京弁護士会憲法問題検討委員会幹事。慶大法科大学院非常勤講師。安保法をめぐり、衆院特別委で参考人として意見陳述を行った。

<第4回>「専守防衛に変更はない」という首相答弁はウソだ

公開日: 更新日:

 しかし、政府は7月28日、民主党・大塚耕平参院議員との質疑において、相手の攻撃の意思を「推測」し、政府の裁量で、新3要件を充足したとして、存立危機事態を排除するための武力行使を行う可能性のあることを明らかにした。

 我が国への攻撃もなく、その意思も確認できなくても、「推測による裁量」で武力行使はできるというのだ。

 実際の攻撃はおろか、その意思もない他国への攻撃は、「先制攻撃」に他ならない。「先制攻撃」という「専守防衛」の対極に位置する概念を認めることは、専守防衛の破棄ないしは解釈による全面変更であり、どちらにしろ「専守防衛」は「いささかの変更もない」という首相答弁は嘘である。

 自衛権を制約するために合理的自己拘束としてはめていた「専守防衛」という孫悟空の頭の輪を外してしまえば、自衛権は凶暴な大猿と化し、先制攻撃へと姿を変え、誰にも制御不能になる。三蔵法師のいない「日本国」ご一行において、この暴走の終極的な責任をとるのは「最高責任者」と自負する安倍総理ではなく、我々国民である。私たち自身が、目に見えない「専守防衛という概念」に無自覚であれば、「いささかの変更もない」という嘘の下、その概念は不可視的に変更されてしまう。我々は、「専守防衛」という“憲法の精神”を自省的に再考し、この一線を絶対に譲ってはならない。

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