倉持麟太郎
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倉持麟太郎弁護士

1983年生まれ。慶大法学部を経て中大法科大学院卒。2012年弁護士登録。第二東京弁護士会所属。15年3月、日本弁護士連合会・憲法問題対策本部幹事、15年4月、第二東京弁護士会憲法問題検討委員会幹事。慶大法科大学院非常勤講師。安保法をめぐり、衆院特別委で参考人として意見陳述を行った。

<第8回>「弾薬」はいつの間に「武器」に含まれなくなったのか

公開日:  更新日:

 昔、ドイツ語の試験で「持ち込み可」という条件でドイツ人の友人を持ち込んだという話を聞いて驚愕した覚えがある。ルールには国語的な意味だけでなく、ルールが制定された目的や規範としての限界があるはずだ。しかし、現在、安保法制国会で「言い切れば何でもアリ」状態の答弁が続出している。

 後方支援を基礎づける本改正法で、後方支援の内容に「弾薬」の提供が含まれることになった。改正前の周辺事態法では、「武器」は提供できないこととされており、この「武器」には「(弾薬も含む)」と明記されていた。つまり、改正法でも「武器」の提供はできないが、「弾薬」の提供は可能であるというのが政府答弁で、明らかに「武器」の定義が変わっている。そして、この「武器」から解き放たれた「弾薬」には、ドラえもんのポケットよろしく何でも入ることになってしまった。

 安倍首相及び中谷防衛大臣は、手りゅう弾、ミサイル、さらには核兵器も「核弾頭がついている」から「弾薬」に含まれると驚愕の答弁をしている。これは法律論であり、弾薬という語感からどこまで入るのかを競うゲームをしているのではない。後方支援で「武器(弾薬も含む)の提供はできない」としていたのは、武器・弾薬を提供することが、憲法9条が禁止している「武力行使」にあたるからだ。国語的な話ではない。日本人が選択した価値・精神の枠組みがNOと言ってきたのである。

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