新国立「杜のスタジアム」 “見え方”だけならB案に軍配か
くしくも「杜のスタジアム」という名前までカブっていた。白紙撤回となった新国立競技場のやり直し建設計画できのう(14日)、応募業者の技術提案書2案が公表されたが、コンセプトは驚くほどそっくりである。
A案は建築家・隈研吾氏(61)と大成建設のグループ、B案が建築家・伊東豊雄氏(74)と竹中工務店、清水建設、大林組の3社が組んだグループとみられる。
両案とも「神宮の杜」の自然と周辺環境との調和を前面に打ち出し、木材をふんだんに使って「和」を強調する。同じ形のフレームを繰り返して組み合わせ、楕円形のシンプルなスタンドを構成する工法も酷似。工期縮減を図った結果、2019年11月末という完成時期と1500億円弱の総工費までほぼ同じだ。
「両案が似たのは『これなら建つ』と国民を安心させることを優先させた結果でしょう。キールアーチを使った大胆なデザインの旧計画が工費の面で猛批判を浴び、工期短縮まで迫られれば、保守的でスタンダードなデザインを選ぶしかない。限られた条件下で、A案は『神宮外苑の緑』との調和がよく取れていると思います」(ロンドン五輪で馬術会場を担当した建築家の山嵜一也氏)