参院選5選挙区で推薦も…自公協力「現場は亀裂」の逆効果

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 公明党の参院選重点選挙区で自民党が推薦を出すことになった。1人区で公明が自民を推薦するので、そのバーターというわけだが、対象の選挙区にはもちろん自民候補がいる。自民の地方県連から早速、ブーイングが上がり、選挙協力は逆効果となりそうだ。

 公明は過去最多の7選挙区で候補者を擁立していて、自民が推薦するのは、東京と大阪を除く埼玉(改選3)、神奈川(同4)、愛知(同4)、兵庫(同3)、福岡(同3)の5選挙区。全てで民主と共産も候補者を立てており、熾烈な戦いになるのは間違いない。

 特に今回、共産が躍進しそうで、前回13年に議席を獲得した東京、大阪以外の選挙区でも当選圏内に入る可能性が出ている。野党共闘のムードが今後さらに高まるだろうから、自民が公明を“応援”する余裕など全くない。例えば神奈川では、改選4議席に対し、すでに自民は公認候補と推薦候補の計2人がいる。改選3の兵庫では、おおさか維新も候補を擁立するから、自公のいずれかが落選してもおかしくない。

「公明党は共産党と支持層が重なりますから、共産の台頭にかなり焦っているのでしょう。しかし、自民が公明候補を推薦しても何のプラスにもなりませんよ。現場の組織はすでに戦っているわけですから逆効果。その上、安倍首相が参院選後の憲法改正への意欲を前面に出してきていることに、公明党の支持母体である創価学会の婦人部が嫌悪感を抱いている。協力よりむしろ遠心力が働きかねません」(政治評論家の野上忠興氏)

 自公は沖縄でも亀裂が生じている。「選挙区は自民、比例は公明」で地元組織が運動していたところに、自民党がトップダウンで沖縄出身の今井絵理子を比例で擁立。これに公明が激怒したという。

 自公協力も案外ハリボテか。

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