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高橋乗宣
著者のコラム一覧
高橋乗宣エコノミスト

1940年広島生まれ。崇徳学園高から東京教育大(現・筑波大)に進学。1970年、同大大学院博士課程を修了。大学講師を経て、73年に三菱総合研究所に入社。主席研究員、参与、研究理事など景気予測チームの主査を長く務める。バブル崩壊後の長期デフレを的確に言い当てるなど、景気予測の実績は多数。三菱総研顧問となった2000年より明海大学大学院教授。01年から崇徳学園理事長。05年から10年まで相愛大学学長を務めた。

世界経済の名の下に失政を糊塗…時代錯誤の財政出動

 安倍首相は大型連休中に欧州各国とロシアを歴訪。今月26日からの伊勢志摩サミットに向けた下準備に費やしていた。G7である英国、ドイツ、イタリア、フランスなどに、「機動的な財政出動の協調」を呼びかけていたが、ナンセンスと言うほかない。

 確かに、世界の経済は勢いを失っている。先進国が一緒になって積極的に財政資金を投入し、世界の景気をなんとか浮上させよう。安倍首相はそんなメッセージの伝道役を務め、サミットの議長国として国際世論を牽引しようとしたのかも知れないが、そもそも大前提を見誤っている。

 もはや財政出動によって、世界の景気が再び浮上することはあり得ないのである。

 もちろん、日本一国だけのことを考えれば、財政出動によって、やるべきことはある。熊本地震でも露呈したばかりの建造物の耐震性強化や、老朽化したインフラの再整備など「待ったなし」の課題も多い。

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