「今言っておかないと」 赤川次郎氏が国家統制社会に警鐘
政治的発言は切羽詰まった思いから
赤川次郎氏は言わずと知れたベストセラー作家だ。ユーモアあふれる軽妙なミステリー小説の旗手。そのイメージを覆すような意欲作「東京零年」が、本年度の吉川英治文学賞を受賞した。国民の自由は巧妙に奪われ、権力が暴走する管理社会――戦前のような警察国家に翻弄される人々を描いた社会派サスペンスである。受賞決定の会見で語った「近未来小説として書き始めたはずが、現実が追いついてしまった」という言葉が印象的だ。近年は政治的な発言にも積極的。その根底には、日本の未来への危機感がある。
――政治的な発言をするようになったことに、理由があるのでしょうか。
今言っておかないと、本当に間に合わなくなる。そういう切羽詰まった思いからです。4年ほど前に朝日新聞の投書欄に投稿したことがきっかけで、発言の場が増えました。小説のかたちではなくて、現実に起きていることに対して自分が思っていることを書く機会もいただいた。今は東京新聞でもコラムを書いています。
