今度は水銀検出 “毒まみれ”の豊洲市場は取り壊すしかない
豊洲新市場への移転中止は決定的だろう。青果棟の地下空間の大気中から、国が定める指針値の7倍もの「水銀」が検出された問題。青果棟では地下水から環境基準を超えるベンゼンやヒ素も検出されており、仲卸棟と卸売棟をつなぐ「連絡通路」地下にも高濃度のベンゼンやシアンが残留している。これだけ汚染がヒドイと、「生鮮食品」を扱える場じゃないことは子どもだって分かる。もはや豊洲新市場は「取り壊し」しかない。
「微量で、今すぐ急性症状が出る値ではない」
15日に東京・築地市場で開かれた土壌汚染対策の有識者からなる専門家会議。青果棟地下で検出された水銀について、内山巌雄京大名誉教授はこう言っていた。
どこかで聞いたフレーズと思ったら、福島原発事故の直後、当時の枝野幸男官房長官が繰り返していた「直ちに人体に影響はない」と同じ。とても信用できない。
■手足マヒ、歩行困難に陥る恐れも
それに水銀といえば、1950年代に起きた「水俣病」の原因物質だ。史上最大級の公害病といわれ、いまだに運動失調や聴力障害、言語障害などの後遺症に苦しむ患者が多くいる。そんな猛毒物が微量でも大気中に漂っている場で「生鮮食品」を扱うなんて、正気の沙汰じゃない。日本環境学会元会長の畑明郎氏もこう言う。