マスク不足の陰に原料不足と中国政府 使い捨て7割が中国製
中国は世界需要の半分を担うマスク生産大国でもある。
「日本では、使い捨てマスク素材である不織布の多くを、中国からの輸入に依存しています。原反(ロール)での取り寄せがほとんどです」
こう語るのは、日本の某マスクメーカー幹部だ。国内で流通する使い捨てマスクは7割が中国製で、残りの一部が日本での一貫生産だという。
中国では1月末の春節前に新型コロナウイルスの蔓延によって「マスク不足パニック」に陥った。その反動で春節が明けると、自動車メーカーの「BYD」、電子部品企業の「フォックスコン」、スマホメーカーの「OPPO」など3000社を超える企業がマスクの生産事業に参入し、こぞって生産設備を投入した。商機を逃さない中国人のパワーを感じさせる。
ところが工場が完成しても原料がない。参入ラッシュの急拡大で、マスクの原料となる「ポリプロピレンのメルトブローン布」の供給が細ってしまったのである。