比例重複厳格化が「菅降ろし」の引き金に…自民で不満噴出
自民党が次期衆院選に向けて小選挙区と比例代表の重複立候補に関する内規を厳格に適用する方針を決めたことが波紋を広げている。
発端は菅首相の意向だ。2017年の前回衆院選後にまとめられた党の「基本方針」には、2回連続して比例復活の議員は「原則として重複立候補を認めない」と明記されている。菅首相は今月8日、山口泰明選対委員長と会談し、「比例復活が続く議員は甘い」と、党の内規を厳格に適用する考えを示したという。
「菅首相が急に比例重複の厳格化を言い出したのは、当選同期で親しい、日本維新の会を除名になった下地幹郎衆院議員がもくろむ自民党復党をアシストする狙いだとみられていました。下地議員の沖縄1区は、自民党現職の国場幸之助議員が2回連続で比例復活なのです。国場議員が所属する岸田派潰しの一環ともいわれている。ただ、2回連続比例復活の議員が多いのは岸田派にかぎりません。党内に動揺が広がり、不満の声が公然と上がり始めています」(自民党中堅議員)