【福島】自民の利益誘導選挙に「話す力」の元ラジオアナが猛追
福島(改選数1)
○当選圏内、△拮抗でやや優勢、▲拮抗でやや劣勢。左印は政治評論家・野上忠興氏、右印は政治ジャーナリスト・泉宏氏の予想。
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参院選ラストサンデー(3日)の須賀川市。同市を含む衆院福島3区で10回連続当選中の立憲民主党・玄葉光一郎元外相は個人演説会で、野党系無所属の小野寺をこう紹介した。
「当初は12ポイントあった差が縮まり、毎日新聞の調査では1ポイント差になった」
玄葉は「昨年の総選挙で福島(5小選挙区)は野党3勝で勝ち越している」と地力があることも強調し、逆転勝利への手応えを語った。実際、各紙が報じる福島の中盤情勢は「自民優勢」から「接戦」に転じ、選挙全体の自民大勝予測が崩れるかを占う激戦区になっている。
猛追の原動力は、ラジオアナウンサー時代に磨いた「話す力」。感情を込めた明瞭な話しぶりで、比喩も絶妙だ。岸田政権が継承するアベノミクスで大企業と金持ちが儲かる一方、円安誘導で庶民が物価高に苦しむ実態を「大きな歯車と小さな歯車」に例え、「小さな歯車にもオイルを注がないといけない」と訴える。聞きほれた司会者が涙ぐむほどで、共感が熱伝導のように広がる話術の持ち主なのだ。
立憲の小川淳也政調会長が応援に入った1日の二本松市での街宣でも、小野寺は「岸田政権は『節電ポイント』を打ち出した。政府は汗をかかず国民に汗をかけと」と一刀両断だった。