東京15区補選“大惨敗”でハッキリ…「小池都知事」「日本維新の会」両ブランド凋落と限界
野党第1党の立憲民主党が全勝した週末の衆院3補選で自民党の尻に火が付き、岸田首相の退陣カウントダウンが始まった。下馬評通りだが、予想外の退潮を印象付けたのが学歴詐称問題が再燃中の東京都の小池知事だ。東京15区に擁立し、全力支援した作家の乙武洋匡氏が大惨敗。集票力の低下はゴマカしようがなく、国政復帰どころか、知事3選も危うくなってきた。
2人続けて逮捕者を出した自民が不戦敗した東京15区には、9人が立候補。立憲が公認した前江東区議の酒井菜摘氏が大混戦を制して初当選した。知名度を誇る乙武氏は「裏金問題に非常に強く憤りを感じている」と正論をブッて自民の推薦を蹴っ飛ばした末、次点にも絡めずに5位。小池知事と関係良好な公明党が終盤に腰を上げたものの、トップからダブルスコア以上も離され、箸にも棒にもかからなかった。
政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう言う。
「乙武氏は無所属で立候補し、小池氏が特別顧問に就く(地域政党)都民ファーストの会と国民民主党の推薦を受けましたが、都ファが母体の『ファーストの会』の副代表。組織がついていながらア然の結果です。乙武氏の得票は、小池氏や都ファ都議が江東区で得た票をはるかに下回る。4年前の都知事選、3年前の都議選と比べると惨憺たるもの。先日の目黒区長選でも小池氏が推した候補は敗北した。神通力は今は昔ですよ」
■関連記事
-
保阪正康 日本史縦横無尽 シリーズ「昭和の亡霊・7つの戦時用語」(77)東條英機は戦陣訓をつゆとも意識せずに自決を図った
-
韓国で6.3投開票「李在明大統領」に備えよ (下)韓国で「国民」は、統合ではなく分断の言葉となった…深まる溝は埋まるのか
-
保阪正康 日本史縦横無尽 シリーズ「昭和の亡霊・7つの戦時用語」(76)法規よりも東條陸相の示達が優先しようとした傲慢さ
-
韓国で6.3投開票「李在明大統領」に備えよ (中)再び懸念される日韓関係「冬の時代」の到来…カギを握るのは「トランプ関税」
-
保阪正康 日本史縦横無尽 シリーズ「昭和の亡霊・7つの戦時用語」(75)東條英機の「戦陣訓」作成に協力したという徳富蘇峰、島崎藤村