ヘイトスピーチの見本市と化した参院選の異様…横行する排外主義にアムネスティが警鐘
「感情論に基づく批判は極右の台頭を招く」
実際に参院選の街頭演説は、さながらヘイトスピーチの見本市だ。参政党の神谷宗幣代表は「仕事に就けなかった外国人が、万引とかして大きな犯罪が生まれている」などの蔑視発言を連発。
日本保守党の百田尚樹代表は外国人労働者を「日本の文化は守らない。ルールは無視する。日本人を暴行する。日本人の物を盗む」と決めつけ、「日本の治安が脅かされるし、日本の文化、社会が壊される」と嫌悪感を隠さない。
NHK党の立花孝志党首は、もっとロコツだ。5日の兵庫県川西市の街頭演説で「これからも人種差別します。怖いから」と堂々宣言。前日には「黒人とか、イスラム系の人たちが駅前に集団でいると怖い」と打ち明け、「母国でまっとうに生きていけない人たちが難民とかで来るわけです」と言い切る始末だ。
こうした言いたい放題がまかり通る状況に、どう対応していけばいいのか。ジャーナリストの斎藤貴男氏はこう言う。
「確かに、行き過ぎたヘイトスピーチが散見されるのは問題です。ただ、反論する側もハッキリと論拠を示すなど、批判の仕方を考えなければ相手の反発は強くなる。お互いに感情論で言い合ってしまえば、感情の強さの分だけ極右勢力の声が勝ってしまい、彼らの台頭につながってしまう。結局は分断を加速させることになります」
今回の選挙では、大手メディアもファクトチェックに力を入れているが、連日のヘイト演説に追いつかない状態である。有権者は冷静になるべきだ。
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