平和記念式典での石破首相スピーチの評判がすこぶるいいが…原稿を下書きしたのはAIだった?

公開日: 更新日:

■またも核廃絶への具体的前進はナシ

 歴代首相のスピーチ原稿と言えば、最近では安倍首相の外交、歴史認識に関する重要演説を手掛けた谷口智彦・内閣官房参与(元日経BP)や、菅首相の総裁選や所信表明や寄稿文を下書きした柿崎明二・首相補佐官(元共同通信)などスピーチライターの存在が注目されたが、はからずも今回の石破スピーチが歴代首相のスピーチライターよりAIの方が優れていることを証明したわけだ。

 もっとも、世論ウケした石破首相のスピーチも、情緒的表現をそぎ落とせば、政治的意味においては、歴代コピペ首相と何ら代わり映えはしない。

 周知のとおり、日本は唯一の被爆国として原子力の平和利用と核兵器の不拡散・廃絶に向けた国際社会への働きかけが使命だが、石破首相は歴代首相同様、核兵器禁止条約の締結を拒否する姿勢を崩していない。

 昨年、核兵器廃絶を国際社会に訴え、日本政府に対して条約締結を求めてきた日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞した。

 核廃絶を願う国民世論は、今回の石破スピーチにせめて締結国会議へのオブザーバーとしての参加表明を期待したが、それもかなわずだ。「仏作って魂入れず」ではないが、首相スピーチが国民の心にズバッと刺さらない理由はまさにそこにある。 (特命記者X)

■関連キーワード

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  2. 2

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  3. 3

    N党・立花孝志容疑者にくすぶる深刻メンタル問題…日頃から不調公言、送検でも異様なハイテンション

  4. 4

    我が専大松戸は来春センバツへ…「入念な準備」が結果的に“横浜撃破”に繋がった

  5. 5

    N党・立花孝志氏に迫る「自己破産」…元兵庫県議への名誉毀損容疑で逮捕送検、巨額の借金で深刻金欠

  1. 6

    高市首相「議員定数削減は困難」の茶番…自維連立の薄汚い思惑が早くも露呈

  2. 7

    高市内閣は早期解散を封印? 高支持率でも“自民離れ”が止まらない!葛飾区議選で7人落選の大打撃

  3. 8

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然

  4. 9

    高市首相は自民党にはハキハキ、共産、れいわには棒読み…相手で態度を変える人間ほど信用できないものはない

  5. 10

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗