(1)反ワクチン陰謀論者たちの政治活動では、排外主義が大ブーム
排外主義とまでいかなくとも、「日本の歴史や伝統」を勝手に設定し、持論に権威付けをするのは「スピリチュアル・オカルトあるある」だ。
「参政党に限らず、オカルトやスピリチュアル、陰謀論が政治に利用されることは珍しくありません。反ワクチン運動もそのひとつ。参院選では参政党以外にもさまざまな反ワク陰謀論の政治団体が候補者を擁立していました。全員落選でしたが」(雨宮純氏)
代表例が反ワク医師の内海聡氏が代表を務める「無所属連合」。公認候補には、過去に参政党から出馬した人物もいた。
もうひとつは、参政党共同代表だった歯科医の吉野敏明氏が設立した「日本誠真会」だ。公認候補の弁護士は、新型コロナワクチン接種会場に押し入った「神真都Q」の顧問で、逮捕者の弁護人でもあった。埼玉県内でクルド人ヘイトをまき散らす元祖「日本保守党」の石濱哲信氏も反ワク団体の集会に参加している。
これらの政治団体すべてが内容や程度の差こそあれ、排外主義的な主張を展開した。反ワク陰謀論者たちの政治運動ではいま、排外主義が大ブームなのだ。なぜこんなことになったのか。次回、ここ1年ほどの流れを振り返る。 (つづく)