いよいよ総括報告と両院議員総会…「石破おろし」の賛否“号砲”で自民党の分断が加速する
「踏み絵」を迫るのはケンカを売るも同然
閣内も割れている。現職の副大臣・政務官が公然と「退陣要求」していることに、岩屋外相は「政府で仕事している以上は、石破首相に与えられた任務・使命を果たしていくことが責任。そうでない判断をするなら、しかるべき行動がなされて当然」と発言。“辞任してから言え”と突きつけた。ところが、小泉農相は「思いを表明するのは議員としてあるべき姿のひとつだ」と擁護。食い違っている。
総裁選管が前倒しに賛成する議員にのみ書面の提出を求めたことも、党内で深い亀裂を生んでいる。前倒しに賛成の反石破派の議員は言う。
「我々に『踏み絵』を迫るようなルールは、ケンカを売っているも同然ですよ。こっちがひるむと思ったのでしょうが、逆効果だ。『だったら堂々とNOを突きつけてやる』と息巻く議員が増えていますから」
一方、石破擁護派の議員はこう言う。
「退陣を迫るわけですから、記名で意思を示すのは当然。ワーワー騒いでいるヤツは議員失格ですよ。まあ、どこまで突っ張り切れるか見ものですね。腰砕けになる連中も出てくるでしょう」
いずれにせよ国民の失望を招く事態は避けられそうにない。前倒しが決まっても「醜い政争」と批判され、決まらなくても「あの騒動は何だったんだ」と呆れられる。いっそ自民党は分裂したらどうか。その方が国民もスッキリするだろう。
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