大逆転で高市早苗が新総裁に、その裏側と今後…暗黒の翼賛政治前夜の様相(下)
国民はちゃんと見ている「全員野球」の目くらまし

高市は総裁選出直後に、公明党の斉藤代表と会談。斉藤は公明党や支持者が抱く懸念として①政治とカネの問題②靖国参拝を巡る歴史認識③外国人との共生──を伝えたという。「その解消なくして連立政権はない」と連立離脱までほのめかし、自民の右傾化を牽制した。
公明が高市総裁誕生に抗議し、本当に政権を去れば大したもの。しかし政界では「今さら与党の座を失うわけにはいかない」との見方が大勢だ。
かくして“平和の党”が百八十度理念の異なる高市を支える倒錯。タカ派首相が新たな連立に成功し、排外勢力が応援すれば、永田町の風景は一変するだろう。前出の金子勝氏はこう言った。
「参院は自・公、維新、国民民主、参政、保守で改憲発議に必要な3分の2議席をゆうに超えます。衆院は3分の2に少し足りないとはいえ、立憲民主党内にも改憲志向の議員はいる。オール高市氏シンパの翼賛体制の下、一気に9条改憲へと雪崩を打ちかねません」
総裁選で高市は軍拡路線を隠そうともしなかった。27年度までにGDP比2%まで防衛費を増やす22年策定の安保関連3文書について「見直しに着手する」と明言。最新鋭兵器を備えるため、「2%以上に引き上げる」と訴えた。
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