高市政権の放漫財政が引き起こすジレンマ…バラマキ経済対策がさらなる物価高を後押し
国債金利急騰で利上げ判断は複雑化
しかし国債市場の激変が足を引っ張りつつある。ここにきて金利が跳ね上がり、価格は暴落。20日は長期金利の指標である新発10年債の利回りが一時1.835%まで急騰し、2008年6月以来、約17年半ぶりの高水準に。30年債、40年債といった超長期国債の利回りは過去最高水準に達している。
国債の金利上昇は、日銀の利上げ判断の足かせとなりかねない。実際の利上げや、その観測がさらなる金利上昇を誘い、国債を大量保有する金融機関の経営を圧迫するリスクが高まるからだ。
「保有率の高い地方銀行などは国債の含み損が拡大し、バランスシートが悪化。相次いで債務超過に陥りかねません。国債金利の上昇は住宅ローンの固定金利が上がるなど、国民の暮らしや消費にも悪影響を及ぼします。物価や為替の動向を中心とした日銀の利上げ判断に、国債市場の動向まで加わりました。それでも利上げに踏み込むなら、従来よりも高次元で複雑な方程式を解かなければいけません」(経済ジャーナリスト・森岡英樹氏)
円安加速も国債金利急騰も、本をただせば高市政権の経済対策に行きつく。「責任ある積極財政」を旗印にあれもこれもと物価高対策を詰め込み、規模は21.3兆円程度まで拡大。財源の裏付けとなる補正予算案の一般会計歳出も17.7兆円程度とコロナ禍後最大となる。放漫財政のバラマキ策が財政悪化を連想させ、円・日本国債の売り圧力を強めているのだ。
「高市政権の経済対策により、円安・インフレ退治の利上げ判断が遠のきかねないジレンマです」(森岡英樹氏)
物価高対策のはずが、さらなる物価高騰を後押しとはマヌケな話だ。この政権のバカさ加減には、涙が出てくる。
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