新宿「食堂 長野屋」ワタも混ぜ込んだイカ煮の煮汁だけで日本酒5合はイケる
先週、TOKYO MXの「5時に夢中!」でこのコラムが取り上げられた。この場を借りて御礼申し上げる。
見ていて出演者の岩井志麻子さんのコメントに膝を打った。「新宿のワルはプロ、渋谷はアマチュア」。だから渋谷は怖いという分析。なるほど! さすが長年歌舞伎町に住まわれている人の意見。説得力がありますね。
さて、その新宿の2回目。先日、田中小実昌さんの「ミミのこと」を再読していたら外食券食堂という単語が出てきた。それで元外食券食堂の古い店が新宿にあることを思い出した。新宿駅東南口正面にある1915年創業の「食堂 長野屋」だ。
今ではタカシマヤ タイムズスクエアやバスタ新宿などのおしゃれな商業施設ができ、昭和の頃の東南口のガサツな雰囲気は一掃されている。
当時、ここの場外馬券売り場に来ていたが、長野屋に入ったことはなかった。なぜならいつもコップ酒片手のオッサンたちでいっぱいだったから。そんなわけで今回初めての訪問である。昔と変わったところはメニューに英語表記が加わっていること。この界隈も例外なく外国人観光客であふれかえっている。
夜7時ごろ入ると、半分ほどの客がビール片手に名物カツカレーをやっている。中年サラリーマン2人はカキフライ単品と煮物で瓶ビールだ。アタシは奥のテーブルに陣取り、多くのメニューを前に思案中。よし、今日は家庭的な総菜で熱燗といくか。若いお兄さんが注文を取りに来た。厚揚げの煮物(350円)とイカ煮(450円=写真)でいこう。お酒は小さいのをお燗で(430円)。
そこにリュックを背負った外国人カップルが入って来た。何を頼むのだろう。興味津々の還暦男である。彼らの注文を取っていたお兄さんがアタシのつまみを持ってきたときに聞いてみた。「彼ら何頼んだの?」「かつ丼とカツカレーです。外国人の方はとんかつや揚げ物が多いですよ」。なるほど。カボチャやキンピラなどは、さすがにいないようだ。まだまだ浅いね。なぜか上から目線のアタシ。


















