東洋圧勝の裏でレベル低下顕著 箱根駅伝に必要な“リストラ”

公開日: 更新日:

 第90回の記念大会は、お寒いレースとなった。

 3日は神奈川県箱根町の芦ノ湖駐車場入り口から東京・大手町までの復路(5区間、109.9キロ)が行われ、往路を制した東洋大が復路も圧勝。10区間合計10時間52分51秒で2年ぶりの総合優勝を果たした。箱根駅伝の常連校が強さを見せ付けたものの、その裏ではレベルの低さが目立ったのも事実だ。

 往路の3区では国士舘大が97年の法政大、拓殖大以来、17年ぶりの繰り上げスタート。13チームが復路の繰り上げ一斉スタートを強いられるなど、2日間合わせて“たすきがつながらなかった”のは計24度。過去10年間では85回大会の21度を抜いてワースト記録だ。

 今大会は節目の90回を記念して学連選抜を廃止し、出場校を従来より3校増やして23校で実施。1万メートル上位10人の平均タイムが全チームとも28分以内でレベルの高いレースが期待されながら、ふたを開けてみれば、この体たらく。記念大会で出場校を水増ししたのが裏目に出る皮肉な結果となった。

 箱根駅伝は新春スポーツの恒例行事として定着したとはいえ、五輪同様、かねて「肥大化」が問題視されている。公道を閉鎖するなど交通規制してまで実施することに批判の声が少なくなく、大学の宣伝の場と化した箱根駅伝に公務員である警察官を警備のために大量動員するのは道理に合わない。特に神奈川県警は初詣や他のイベントなどの警備もあるためコース変更や出場校の増加には難色を示しているといわれる。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  3. 3

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  4. 4

    “最強の新弟子”旭富士に歴代最速スピード出世の期待…「関取までは無敗で行ける」の見立てまで

  5. 5

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗

  1. 6

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  2. 7

    物価高放置のバラマキ経済対策に「消費不況の恐れ」と専門家警鐘…「高すぎてコメ買えない」が暗示するもの

  3. 8

    福島市長選で与野党相乗り現職が大差で落選…「既成政党NO」の地殻変動なのか

  4. 9

    Snow Manライブで"全裸"ファンの怪情報も…他グループにも出没する下着や水着"珍客"は犯罪じゃないの?

  5. 10

    今の渋野日向子にはゴルフを遮断し、クラブを持たない休息が必要です