ジャンプ団体銅メダル 葛西が払拭した20年間の“呪縛”

公開日: 更新日:

 1998年の長野五輪ジャンプ団体。日本は優勝候補の筆頭だった。ところが思わぬ事態が生じた。原田が1本目に79.5メートル(K点は120メートル)のミスジャンプ。1本目が終わって4位……。船木和喜が、当時を振り返ってこう話す。

「2本目が始まる前、原田さんは、(最初に飛ぶ)岡部(孝信)さんに何とかしてください、と言ってきた。(原田をのぞく)残る3人で150メートル以上を飛べばメダルを取れると思った。小野監督からも、130メートル以上頼むと言われた」

 2本目、岡部は期待に応えて137メートルの最長不倒距離。再びトップに立つ。3人目は原田。精神的にボロボロになっていた原田は、しかし、137メートルの大ジャンプ。

「甘えは許されない」

 リレハンメルのジャンプ台で葛西に言われた言葉が原田の脳裏をよぎり、立ち直らせたのだ。岡部と原田の大ジャンプで首位に立った日本は4人目の船木が123メートルを飛び、史上初の団体金メダルを獲得した。


 だが、その舞台に葛西の姿はなかった。3日前のラージヒルには出場、7位に入賞しながら、足のケガで岡部と交代していたからだ(残る1人は斎藤浩哉)。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    横浜流星「べらぼう」ついに8%台に下落のナゼ…評価は高いのに視聴率が伴わないNHK大河のジレンマ

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る

  5. 5

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  1. 6

    元横綱白鵬が突然告白「皇帝の末裔」に角界一同“苦笑”のワケ…《本当だったらとっくに吹聴しています》

  2. 7

    元横綱白鵬 退職決定で気になる「3つの疑問」…不可解な時期、憎き照ノ富士、親方衆も首を捻る今後

  3. 8

    阿部巨人の貧打解消策はやっぱり助っ人補強…“ヤングジャイアンツと心中”の覚悟なし

  4. 9

    山本舞香は“ヤンキー”より“令嬢”がハマる?「波うららかに、めおと日和」《ふかふみコンビ》で人気急上昇

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも