本田圭佑「虚像と実像」(6)中1の少年を襲ったクラムジー

公開日: 更新日:

 本田の心身の変化に気付いていた田中章博(元摂津二中サッカー部顧問)がこう話す。

あの頃の圭佑は、それこそ“寝て起きるたびに身長が伸びる”感じでした。太ももなんて入学して2年間で8センチは大きくなったはず。背が高くなると足元と目の距離が長くなる。それが数センチ単位だとしても、目の位置が変わるとボールを扱う感覚が微妙にずれる。キックするにしても、パスを出すにしてもバランスが崩れてバラバラになってしまう。それが毎日続くわけだから、圭佑も大変やったと思います。可哀想なくらいでした」

 田中はその頃、関西トレセンU―15代表の指導者だった。そこでもクラムジーに悩む選手と何人も接してきた。

「圭佑は周囲に不安を口にすることもなく、ひとりでじっと耐えていたからね。『クラムジーは(成長期が過ぎると)治まる。我慢しろよ』と励ました。本人はウンともスンとも言わんかったけどね(苦笑い)。すごく苦しかったと思う。動きたくても動けないわけやから。ガンバで試合に出られなかったのは、クラムジーの影響も大きかったと思います」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    落合博満さんと初キャンプでまさかの相部屋、すこぶる憂鬱だった1カ月間の一部始終

  2. 2

    “芸能界のドン”逝去で変わりゆく業界勢力図…取り巻きや御用マスコミが消えた後に現れるモノ

  3. 3

    渡辺謙63歳で「ケイダッシュ」退社→独り立ちの背景と21歳年下女性との再々婚

  4. 4

    参政党は言行一致の政党だった!「多夫多妻」の提唱通り、党内は不倫やら略奪婚が花盛り

  5. 5

    悠仁さま「友人とガスト」でリア充の一方…警備の心配とお妃候補との出会いへのプレッシャー

  1. 6

    伊東市長「続投表明」で大炎上!そして学歴詐称疑惑は「カイロ大卒」の小池都知事にも“飛び火”

  2. 7

    大阪万博は鉄道もバスも激混みでウンザリ…会場の夢洲から安治川口駅まで、8キロを歩いてみた

  3. 8

    早場米シーズン到来、例年にない高値…では今年のコメ相場はどうなる?

  4. 9

    中島歩「あんぱん」の名演に視聴者涙…“棒読み俳優”のトラウマ克服、11年ぶり朝ドラで進化

  5. 10

    米価高騰「流通悪玉論」は真っ赤なウソだった! コメ不足を招いた農水省“見込み違い”の大罪