「楽をしすぎ」 野口みずきの師匠が日本マラソンの弱点指摘

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――今の選手たちは記録に対する意識が低いということですか。

「昨年の男子は世界記録(ベルリン、2時間3分23秒=ウィルソン・キプサング・キプロティチ)を筆頭に、上位10位までは2時間3~5分台。日本人でも過去に高岡寿成君(02年シカゴ、2時間6分16秒)、藤田敦史君(00年福岡、2時間6分51秒)、犬伏孝行君(99年ベルリン、2時間6分57秒)と6分台をマークした選手が3人もいるわけで、今の選手でも6分台をクリアできるはずだ。6分台で走れる選手が出場すれば、五輪や世界選手権でのメダルや入賞はある程度、計算できる。ケニアやエチオピアの生活やトレーニング環境で育ってきた選手と互角に戦い、メダルは無理でも、まずは入賞に値する記録を出す選手を育てることが先決。この目標に向けて意識を変えて欲しい」

マラソンの土台である走行量か減っている

――日本人選手のタイムが伸び悩んでいるのはなぜですか?

「今の選手たちがどんな練習をしているのか。中身も含めて承知していないので、一概には言えないが、指導者の多くから『故障するからやらせられない』との言い訳を耳にします。昔は今ほど練習環境も食事も良くない中、もっとハードなメニューをこなしていたのではないかと思っている。陸上競技は常に、上の記録に挑戦する競技。今より上の記録を狙うのであれば、厳しい練習をしないとクリアできない。練習が科学的になったとはいえ、今までやってきた練習よりも少なく、楽になったので、より速く、より強くはありえない。スポーツは人間がより動物的、原始的になることにチャレンジしているのだと私は考えている。ゆえに楽な練習などないと思う」

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