箱根駅伝「完全制覇」は必然 青学大“史上最速タイム”の秘密

公開日: 更新日:

「まさか、あの弱小校が頂点にまで上りつめるとは」――。

 3日の箱根駅伝で10時間49分27秒の“史上最速タイム”で優勝した青学大に関して、大学陸上関係者からこんな声が聞こえてきた。

 創部は1918年と歴史はありながら、76年の出場を最後に箱根路から遠ざかった。陸上部の駅伝を大学が本格的な強化に乗り出したのは04年。実業団の中国電力でコーチを務めていた原晋監督を招へいし、合宿所や練習場を新設するなどハード面を整備。同時に原監督自らが高校の有力選手の勧誘に動いた。09年には33年ぶりに出場し、その後は着実にレベルアップ。12年には大学三大駅伝のひとつである出雲駅伝で優勝し、翌年の箱根では同大学史上最高の5位に入った。

 一時は部員も集まらず廃部の危機にあった青学大が創部96年目にして栄冠を手にできたのは、練習環境の充実も一因だ。

 相模原キャンパスに隣接する練習場はナイター照明が付いた通常の陸上トラックに加え、大学では珍しいアップダウンのあるクロスカントリーのコース(約650メートル)も併設。クロスカントリーでの練習は起伏の激しい箱根路に耐え得る走力はもちろん、上り、下りでの理想的な走行フォームの習得につながった。山登りの往路5区で神野大地(3年)が1時間16分15秒の驚異的なタイムをマークしたのはこの練習の成果だろう。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  3. 3

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  4. 4

    “最強の新弟子”旭富士に歴代最速スピード出世の期待…「関取までは無敗で行ける」の見立てまで

  5. 5

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗

  1. 6

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  2. 7

    物価高放置のバラマキ経済対策に「消費不況の恐れ」と専門家警鐘…「高すぎてコメ買えない」が暗示するもの

  3. 8

    福島市長選で与野党相乗り現職が大差で落選…「既成政党NO」の地殻変動なのか

  4. 9

    Snow Manライブで"全裸"ファンの怪情報も…他グループにも出没する下着や水着"珍客"は犯罪じゃないの?

  5. 10

    今の渋野日向子にはゴルフを遮断し、クラブを持たない休息が必要です