イチローは生かさず殺さず起用 不人気マーリンズの“商魂”

公開日: 更新日:

「我々にとって東京に来ることは重要な意味を持っている。米国の野球界のすべての人が、日本における野球の大切さを理解しているからです」

 マイアミ・マーリンズのデビッド・サムソン球団社長が来日の理由をこう話した。

 29日、マーリンズは都内ホテルで1年総額200万ドル(約2億4000万円)で契約したイチローの入団を発表。会見にはマーリンズからサムソン球団社長のほか、ダン・ジェニングスGM、マイケル・ヒル編成本部長の3人が同席した。

 日本人大リーガーの入団会見をわざわざ日本で行うのも異例なら、球団幹部がそろって日本に駆け付けるのはもっと異例。マーリンズの幹部たちは地元フロリダ州マイアミから米国内を飛行機で乗り継ぎ、計18時間もかけて来日した。

 イチローが「ただただ、恐縮しております。このような機会を日本でできるのは通常、ありえない。ただただ、恐縮するばかりです」と話したのももっともだ。

 ヒル編成本部長は「イチローのような実力のある選手を獲得できて、とてもエキサイティング。スプリングトレーニングが待ち遠しい」と持ち上げたものの、もちろんマーリンズの狙いは別にある。何しろマーリンズにとって、イチローは球団に利益をもたらす打ち出の小づち。メジャー通算3000安打まで、あと156本と迫っている上、引退後の殿堂入りが確実視されるスター選手だ。昨季の観客動員数173万2283人はリーグワースト。ここ数年、集客に苦戦するマーリンズにとって、イチローは最適の人材なのだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  2. 2

    ヤクルト「FA東浜巨獲得」に現実味 村上宗隆の譲渡金10億円を原資に課題の先発補強

  3. 3

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  4. 4

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー

  5. 5

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした

  1. 6

    ドジャース内野手ベッツのWBC不参加は大谷翔平、佐々木朗希、山本由伸のレギュラーシーズンに追い風

  2. 7

    巨人は国内助っ人から見向きもされない球団に 天敵デュプランティエさえDeNA入り決定的

  3. 8

    来秋ドラ1候補の高校BIG3は「全員直メジャー」の可能性…日本プロ野球経由は“遠回り”の認識広がる

  4. 9

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  2. 2

    ヤクルト「FA東浜巨獲得」に現実味 村上宗隆の譲渡金10億円を原資に課題の先発補強

  3. 3

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  4. 4

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  5. 5

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  1. 6

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 7

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  3. 8

    早大が全国高校駅伝「花の1区」逸材乱獲 日本人最高記録を大幅更新の増子陽太まで

  4. 9

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ

  5. 10

    官邸幹部「核保有」発言不問の不気味な“魂胆” 高市政権の姑息な軍国化は年明けに暴走する