球場入りから練習後の過ごし方まで…広島黒田「密着24時」

公開日: 更新日:

他の選手が誰も話を聞きに来ない

■2月26日 8:58 専属広報と共にタクシーで球場入り

 その数分後、早出練習をする若手野手以外のチーム本隊が大型バスで到着した。混乱を避けるためなのか、黒田博樹(40)は単独行動が多い。

「練習以外で外に出ることはほとんどない。沖縄入りした17日、那覇空港に300人超のファンが集まったように、行く先々で混乱が起きる。それを避けるためでもあります。沖縄に到着した日の夜、新井や石原などと市内の焼き肉店に行ったのが唯一の外出です」(球団関係者)

■9:49 メーン球場でウオーミングアップ

 グラウンドに出てきた時から畝投手コーチと談笑。ウオーミングアップ中は正捕手候補の会沢と配球の話をする以外は、ほとんど他の選手と話すことはなかった。

「特に中堅・若手はまだ黒田を遠目から見ている感じで、誰も話を聞きに来ない。せっかく生きた教科書がいるんだから、もっと聞きに来てもいいのに」(球団スタッフ)

 黒田の専大時代の1学年先輩にあたる小林投手コーチは、「今は黒田の方も距離を置いていると思う」と言う。

「まだ合流して10日くらいでしょ? 選手の性格や人柄を把握しないことには、うかつにしゃべれないよ。黒田から『こうだと思う』と言われただけでも、選手によっては命令と感じてしまいかねない。それは黒田にとっても不本意だからね」

■10:47 キャッチボールと守備、牽制練習

 他の投手陣と徒歩でも2分程度の場所にあるサブグラウンドにバスで向かい、ブルペン捕手とキャッチボール。前日25日にはキャンプ初のフリー打撃に登板しただけに、「強弱をつけ、やる時はしっかりと、休める時は肩を休ませる」と、他の投手の半分ほどの時間で切り上げる。

 守備練習では打球をお手玉し、エースの前田健や一岡、永川、今井など同じ組の投手に笑われる場面も。牽制の練習ではサインミスを何度も繰り返し、小林投手コーチから「だから、何で間違えるかなあ」と、肩を抱かれるようにして説明を受けていた。

「メジャーではあまり練習してなかったのかな。日本は足で崩すケースが多い。あの牽制じゃあ、まだ人前に出せないよ(笑い)」(小林コーチ)

 この日の練習では前田健も和気あいあいとやっていたが、チーム関係者はこう言った。

「黒田の方は取材を受けるたびにマエケンのことを聞かれても“それより自分のことで精いっぱい”という感じで、実際にエースとか開幕投手とかにまったく興味がない。バチバチに意識しているのはマエケンの方。首脳陣は『黒田復帰の最大の効果がマエケンに出ている』と目を細めています。これまで、一人横綱ならぬ一人エースとして奮闘してきた半面、刺激がなく張り合いを失っているようなところがあった。それが、今年は『一からやり直す』と目の色を変えていますからね。黒田の存在でマエケンが覚醒すれば、これほど大きな黒田効果はないでしょう」

■11:45 室内練習場で打撃練習

 やはり歩いても3分程度の場所まで、投手陣が揃ってバスで移動。担当記者が愚痴をこぼす。

「去年までは雨でも降らない限り、みんな歩いて移動していたよ。それが変わったのは、やっぱり黒田フィーバーでキャンプ地に来るファンが増えたからだろうね。取材はしにくくなった」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  2. 2

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  3. 3

    Snow Man目黒蓮と佐久間大介が学んだ城西国際大メディア学部 タレントもセカンドキャリアを考える時代に

  4. 4

    ポンコツ自民のシンボル! お騒がせ女性議員3人衆が“炎上爆弾”連発…「貧すれば鈍す」の末期ぶりが露呈

  5. 5

    高市新政権“激ヤバ議員”登用のワケ…閣僚起用報道の片山さつき氏&松島みどり氏は疑惑で大炎上の過去

  1. 6

    クマが各地で大暴れ、旅ロケ番組がてんてこ舞い…「ポツンと一軒家」も現場はピリピリ

  2. 7

    田村亮さんが高知で釣り上げた80センチ台の幻の魚「アカメ」赤く光る目に睨まれ体が震えた

  3. 8

    自維連立が秒読みで「橋下徹大臣」爆誕説が急浮上…維新は閣内協力でも深刻人材難

  4. 9

    ラウールが通う“試験ナシ”でも超ハイレベルな早稲田大の人間科学部eスクールとは?

  5. 10

    「連合」が自民との連立は認めず…国民民主党・玉木代表に残された「次の一手」