“ウマミの維持”が生んだFIFA汚職 MLB薬物禍に酷似の指摘

公開日: 更新日:

 2日、国際サッカー連盟(FIFA)のジョセフ・ブラッター会長が辞任を表明した。不動と思われたブラッター体制も、米国司法省の起訴を発端とする汚職事件がFIFA内部の問題にとどまらず国際問題化しているという現実の前に屈したといえるだろう。

 ブランド価値をおとしめるものが不祥事であるとすれば、協賛企業の多くが体制の刷新と事態の徹底した究明を求めている今回の汚職事件は、間違いなくFIFAにとって不祥事である。

 ところで、メジャーリーグもこれまで数多くの不祥事に見舞われてきた。とりわけ、2000年代になって表面化した筋肉増強剤などの不正薬物の使用問題は、政界をも巻き込む大問題となったことはわれわれの記憶に新しい。

 現在、メジャーリーグ機構は不正薬物を使用する選手に対して厳格な態度で臨んでおり、薬物問題は沈静化したかのようである。しかし、2005年まで機構が薬物を規制することはなかった。なぜなら、薬物の使用が成績の向上につながるという医学的な根拠がなかっただけでなく、薬物を使用している選手が好成績を残し、来場者数の増加に寄与していたからである。実際、1998年にマーク・マグワイアとサミー・ソーサが年間本塁打数の記録更新を目指していたとき、マグワイアは筋肉増強剤であるアンドロステンジオンの使用を告白し、物議をかもした。しかし、機構も選手組合も、アンドロステンジオンが市販薬であることを理由に不問に付している。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  3. 3

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 4

    マエケンは「田中将大を反面教師に」…巨人とヤクルトを蹴って楽天入りの深層

  5. 5

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  1. 6

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  2. 7

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  3. 8

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 9

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  5. 10

    巨人正捕手は岸田を筆頭に、甲斐と山瀬が争う構図…ほぼ“出番消失”小林誠司&大城卓三の末路

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    国分太一との協議内容を“週刊誌にリーク”と言及…日本テレビ社長会見の波紋と、噴出した疑問の声

  5. 5

    衆院定数削減「1割」で自維合意のデタラメ…支持率“独り負け”で焦る維新は政局ごっこに躍起

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  5. 10

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較