異例の長期政権 なでしこ率いる佐々木監督の“手練手管”

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 初戦のスイス戦で勝ち点3を獲得し、W杯連覇に向け順調なスタートを切ったなでしこジャパン。6大会連続W杯出場のMF沢穂希(36)を筆頭に選手を巧妙な手綱さばきで操っているのが、07年12月からなでしこジャパンの指揮を執っている佐々木則夫監督(57)である。

 帝京高─明治大から電電関東(現J大宮。当時は社会人リーグ、JFL所属)でプレーした同監督は33歳で現役引退後、06年1月に日本女子代表コーチ、U─17日本女子代表監督に就任し、翌07年末に代表監督に昇格した。コーチ時代を含めると10年近くにわたり、なでしこジャパンを率いてきたことになる。

「男子と比べて女子の場合、概して“嫉妬深い”分、徹底した公平性と中立性が求められる。主軸だからと可愛がると『あの娘だけエコひいき』と糾弾され、ある日を境に誰も口をきいてくれなくなったり、女子サッカーでは、そういうことが往々にして起こり得る。佐々木監督の長期政権というのは、世界的に見ても異例中の異例といっていい」(協会関係者)

 なでしこリーグで実際にあった話だ。男性監督はある選手と信頼関係を築けたと確信。その選手はゴールを決めるとベンチに走り寄り、監督に抱き付くこともしばしば。そのたびに監督は頭をなでながら喜びを共有した。

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