球児、監督だけじゃない 甲子園開幕にプロスカウト戦々恐々

公開日: 更新日:

「派手なプレーなんてしなくたって構わない。ただ、いつも通りの動きを見せてくれれば、それでいいんだ。ホント、頼むよ。こっちは祈るような心境なんだから」

 こう言って深~いタメ息をついたのは、西の方のプロ球団のあるスカウトだ。夏の甲子園に緊張しているのは、出場校の選手とは限らない。プロ球団のスカウトの中にも、戦々恐々なのがいる。

 夏の甲子園を前に、各球団ともチェックすべき選手のリストをつくる。各地区の担当スカウトがピックアップした選手がもとになっている。その選手の実力をフロント幹部以下、複数のスカウトたちが見極める。ピックアップした選手が大したことなかったり、逆にピックアップしていない中に掘り出し物がいたりすれば、担当スカウトは赤っ恥。選手を見る目を疑われることになる。

「いや、地区予選でマズいことがあった直後だけにね……」と冒頭のスカウトがアタマをかきながらこう続ける。

「九州の右腕がいいって聞いて、地区予選を見に行ったんだ。そしたら、いきなり5者連続三振だよ。ストレートのキレもバツグンによく見えたから、試合途中にもかかわらず部長に電話を入れたんだ。『とんでもないピッチャーが出てきましたよ!』ってさ。そしたら30分もたたないうちに火だるまになって負けちゃったから、バツが悪いのなんのって。これでオレが推薦した選手が甲子園で散々だったら、何を言われるかわからないからね」

 炎天下、額から流すのは冷や汗になりそうだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    世良公則氏やラサール石井氏らが“古希目前”で参院選出馬のナゼ…カネと名誉よりも大きな「ある理由」

  2. 2

    国分太一が社長「TOKIO-BA」に和牛巨額詐欺事件の跡地疑惑…東京ドーム2個分で廃墟化危機

  3. 3

    浜田省吾が吉田拓郎のバックバンド時代にやらかしたシンバル転倒事件

  4. 4

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  5. 5

    「いま本当にすごい子役」2位 小林麻央×市川団十郎白猿の愛娘・堀越麗禾“本格女優”のポテンシャル

  1. 6

    幼稚舎ではなく中等部から慶応に入った芦田愛菜の賢すぎる選択…「マルモ」で多忙だった小学生時代

  2. 7

    「徹子の部屋」「オールナイトニッポン」に出演…三笠宮家の彬子女王が皇室史を変えたワケ

  3. 8

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  4. 9

    新横綱・大の里の筆頭対抗馬は“あの力士”…過去戦績は6勝2敗、幕内の土俵で唯一勝ち越し

  5. 10

    フジテレビ系「不思議体験ファイル」で7月5日大災難説“あおり過ぎ”で視聴者から苦情殺到