愚直な人柄と向上心 引退の日ハム木佐貫は球界一の“常識人”

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 日本ハム時代のある日の試合前にはこんなことがあった。練習を見ながら右手でクルクルと器用にペンを回している記者に近づくや、丁寧な口調でこう頭を下げた。

「それはどうやってペンを回しているんですか。ぜひ、そのやり方を教えていただけませんか?」

 聞けば、指先を上手に使うことで、制球力のさらなる向上の一助になればと、「ペン回し」の習得に挑戦。インターネットなどで調べ、見よう見まねで練習したもののなかなかうまくできない。

「自分ひとりではできそうもないので、思わず声をかけてしまいました。コツを教えていただけませんか?」

 愚直な人柄と向上心を表すエピソードだ。

 引退会見では今後について、「野球に携われたら」と話した。プロ通算62勝。誰もが認めるその人間性を含め、古巣の巨人が指導者候補にリストアップしている。

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