賞金7億円超えのアン・ソンジュ “円熟味”増した強さの秘密
【TOTOジャパンクラシック】
日本ツアーで3度の賞金女王に輝いたアン・ソンジュ(28)がプレーオフを制し、ツアー通算20勝目、米ツアー初Vを飾った。獲得賞金は足掛け6年、史上最速147試合で7億円(10人目)を突破。来季の米ツアー出場権を獲得した。
「米ツアーは移動が大変なので今の体の状態では考えていないけど、メジャーは出場したい。30歳になったら引退しようと思っているので、あと3年頑張りたい」(アン)
しかし、協会関係者からは「いますぐにでも米ツアーに行って欲しい」という本音が漏れる。協会にとって、日本で賞金を稼ぎまくるアンは「目の上のたんこぶ」だ。アンがいなくなれば韓国人の優勝がそれだけ減るという思惑だ。
「米ツアーには行かないでしょう。もし行く気があれば、勢いのあった数年前に挑戦しているはずです」と、田原紘プロがこう続ける。
「アンのパッティングは世界レベルです。読みはズバぬけてうまい。しかもバックスイングからインパクトにかけてのタイミングがいい。腕を振るわけでもなく、ヘッドを大きく動かすわけでもなく、ストロークをつくっていない。コンパクトな良い打ち方をしている。全盛期に比べれば勢いはなくなったものの、代わりに円熟味を増したというか、技術力がさらに向上し、何より安定感がある。プレーオフでピンそば1・5メートルにつけバーディーを奪った2打目も、素振りからクラブを振り切ってやるという思いが伝わってきました。最初から最後までギアを入れっ放しではなく、試合の中で強弱をつけている。だからここ一番の勝負どころに強いのです。相手を寄せ付けない強さというか、誰が相手でも一歩も引かない。百戦錬磨の強さです」
これからも日本でずっと活躍されたら、賞金をあといくら稼がれるかわかったものではない。アンを米ツアーに送り出す算段を関係者全員で考えたほうがいいかもしれない。