WBCとIBFは拒否反応 リオ五輪プロボクサー解禁の裏事情

公開日: 更新日:

 いよいよ対立が明確になってきた。

 国際ボクシング協会(AIBA)がリオから解禁した、プロボクサーの五輪出場。しかし、世界王座認定団体の一つでもあるIBFは20日(日本時間21日)、「五輪に出場した王者はタイトル剥奪。世界ランカーも1年間ランキングから外す」と声明を出した。

 WBCも同様に参加を禁止しており、両団体は「プロとアマチュアの試合は危険性がある」と口を揃えている。確かにパンチ力は雲泥の差だが、「自分たちの世界王者がアマに負けたら……」というプライドの問題もあるのだろう。

 ボクシングはプロとアマでルールが大きく異なる。12ラウンドを闘うプロでは序盤は様子見といった戦略が通じるが、アマは3ラウンド。最初から最後まで足を使うことが求められる。さらにアマは反則にも厳しい。「頭を低くしてはいけない」「拳以外の箇所で殴ってはいけない」といったことはプロではさほど問題視されないが、アマはそうはいかない。プロが「プロらしい試合」をすれば、何も出来ないままアマに負ける可能性が高いのだ。

「AIBAと世界王座認定団体との主導権争いも関係している。アマを統括していたAIBAは、自分たちがプロを含めたボクシング界を牛耳りたい。昔からアマ側はプロを嫌っているが、カネを稼げるのはプロ。そのため、AIBAは11年にプロ部門『APB』を設立。独自のランキングを作り、五輪出場枠もAPBの特別枠を設けるなど優遇している」(ボクシング記者)

 プロとアマの利権争いはまだまだ続きそうだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  2. 2

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  3. 3

    Snow Man目黒蓮と佐久間大介が学んだ城西国際大メディア学部 タレントもセカンドキャリアを考える時代に

  4. 4

    ポンコツ自民のシンボル! お騒がせ女性議員3人衆が“炎上爆弾”連発…「貧すれば鈍す」の末期ぶりが露呈

  5. 5

    高市新政権“激ヤバ議員”登用のワケ…閣僚起用報道の片山さつき氏&松島みどり氏は疑惑で大炎上の過去

  1. 6

    クマが各地で大暴れ、旅ロケ番組がてんてこ舞い…「ポツンと一軒家」も現場はピリピリ

  2. 7

    田村亮さんが高知で釣り上げた80センチ台の幻の魚「アカメ」赤く光る目に睨まれ体が震えた

  3. 8

    自維連立が秒読みで「橋下徹大臣」爆誕説が急浮上…維新は閣内協力でも深刻人材難

  4. 9

    ラウールが通う“試験ナシ”でも超ハイレベルな早稲田大の人間科学部eスクールとは?

  5. 10

    「連合」が自民との連立は認めず…国民民主党・玉木代表に残された「次の一手」