日本シリーズで露呈 プロ野球から“鉄壁の守り”なぜ消えた
日本ハムが広島を4勝2敗で下した今年の日本シリーズ。総じて見応えのある戦いだった。それだけに、熱戦に水を差した第6戦のレアードと田中の失策にはガッカリしたファンも少なくないだろう。
レアードのミスは二回、石原の平凡な打球をトンネルして得点を与え、田中も四回無死一塁でレアードの打球で併殺を狙いポロリとやった。このエラーも失点に絡んだ。今シリーズの失策数は両チームで8個(各4個)だった。
1982年から2年連続日本一になった西武OB(二塁手)の山崎裕之氏がこう語る。
「ビデオを見ると、田中への打球は少しイレギュラーバウンドしていた。もう一歩前に出るか、安全にひとつ待って捕球すれば、一塁走者だけでもアウトにできた。田中は今季、セで最多失策(18個)を記録している。ホームグラウンドは天然芝で内野は土だが、それは言い訳にはならない。第6戦はホームでの試合なので、イレギュラーのことを頭の隅に置いていれば対応できたはずです」
守りが下手なのは何もこの2人だけではない。今のプロ野球は守りが雑になった。今季セ・パの最多失策チームとその数は、阪神の97と西武の101。その西武は、広岡(達朗)、森(祇晶)監督が指揮を執った82年から94年までの13年間で、リーグ優勝11回、日本一8回という黄金時代を築いた。鉄壁の守りは12球団で抜けていた。