著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

見逃し三振OK? 西武“山賊打線”の精神的ゆとりが羨ましい

公開日: 更新日:

 西武というチームは伝統的に生え抜きの強打者育成に秀でている。かつての黄金時代を牽引した清原和博や秋山幸二はもちろん、その後も松井稼頭央に和田一浩、中島裕之、中村剛也ら球界を代表する日本人スラッガーを続々と輩出し、現在もその中村の他に山川穂高浅村栄斗秋山翔吾といった生え抜きの強打者たちを擁して、破壊力抜群のいわゆる“山賊打線”を形成している。

 そもそも古くは中西太や豊田泰光を擁した西鉄ライオンズのころからそうだった。その中西に始まり、現在の中村、山川へと続くデブスラッガーの系譜も健在。大成はしなかったが、あのデーブ大久保も若手時代はそこに名を連ねていた。

 一方、私の贔屓球団である阪神は伝統的に見れば投手力のチームだ。甲子園というピッチャーズパークを本拠地にしているからか、古くは若林忠志、村山実、小山正明、江夏豊といった大投手を輩出し、その後は目立った大投手こそ出ていないものの、一定以上に優秀な先発投手や強力なリリーフ投手は数多くそろえてきた。だから、あのバース、掛布、岡田を擁した1980年代は球団史全体で見れば異例の時代だったと言える。なにしろ、その掛布と岡田以降、30本塁打以上を記録した生え抜きの日本人選手は一人もいないのだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  3. 3

    前田健太は巨人入りが最有力か…古巣広島は早期撤退、「夫人の意向」と「本拠地の相性」がカギ

  4. 4

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  5. 5

    来春WBCは日本人メジャー選手壊滅危機…ダル出場絶望、大谷&山本は参加不透明で“スカスカ侍J”に現実味

  1. 6

    詞と曲の革命児が出会った岩崎宏美という奇跡の突然変異種

  2. 7

    高市政権にも「政治とカネ」大噴出…林総務相と城内経済財政相が“文春砲”被弾でもう立ち往生

  3. 8

    「もう野球やめたる!」…俺は高卒1年目の森野将彦に“泣かされた”

  4. 9

    連立与党の維新が迫られる“踏み絵”…企業・団体献金「規制強化」公明・国民案に立憲も協力

  5. 10

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋