著者のコラム一覧
元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

南ア大会の再現期待も 西野監督と岡田氏に2つの決定的違い

公開日: 更新日:

 その一因は指揮官のマネジメントにある。8年前の岡田監督は、本大会の2戦前のイングランド戦からMF阿部勇樹(浦和)を守備専任に置いた超守備的な布陣を採用した。

「自陣に引いて徹底的に守る」という戦いに舵を切り、結果的に功を奏したのである。

 だが、西野監督は1カ月しかない準備期間に3バックと4バックの併用を打ち出し、多彩な戦い方を求めている。

 本番前の最後のテストマッチとなるパラグアイ戦(日本時間12日午後10時5分キックオフ)も、西野監督はスイス戦後に「いろんな可能性を求めて」と話し、控え主体で挑むという信じがたいコメントを発した。

 メディア陣から「チームや戦い方を固定した方がいいのでは?」と聞かれた長谷部は「それは監督が決めることなんで」と言葉を濁したが、8年前を知る選手が「1つの方向に絞って進むべき」という考えを抱いても不思議はないはずだ。

 2つ目の問題点は、停滞感を打破するフレッシュな人材が出てこないこと。8年前の岡田日本には、当時23歳のMF本田圭佑(パチューカ)を筆頭にチームに活力を与える人間がいた。直前合宿で調子を上げて南アW杯初戦のカメルーン戦で本田の先制ゴールをアシストしたMF松井大輔横浜FC)もしかり。彼らが台頭したからこそ、MF中村俊輔(磐田)や楢崎正剛(名古屋)らベテラン切りを断行できた。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参政党が消せない“黒歴史”…党員がコメ農家の敵「ジャンボタニシ」拡散、農水省と自治体に一喝された過去

  2. 2

    極めて由々しき事案に心が痛い…メーカーとの契約にも“アスリートファースト”必要です

  3. 3

    遠野なぎこさんを追い詰めたSNSと芸能界、そして社会の冷酷無比な仕打ち…悲惨な“窮状証言”が続々

  4. 4

    ドジャース大谷翔平がついに“不調”を吐露…疲労のせい?4度目の登板で見えた進化と課題

  5. 5

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  1. 6

    清水賢治社長のセクハラ疑惑で掘り起こされるフジテレビの闇…「今日からシリケン」と“お触り続行”の過去

  2. 7

    カブス鈴木誠也「夏の強さ」を育んだ『巨人の星』さながら実父の仰天スパルタ野球教育

  3. 8

    千葉を「戦国」たらしめる“超過密日程”は今年の我が専大松戸に追い風になる手応えを感じています

  4. 9

    趣里はバレエ留学後に旧大検に合格 役者志望が多い明治学院大文学部芸術学科に進学

  5. 10

    参政党が参院選で急伸の不気味…首都圏選挙区で自公国が「当選圏外」にはじかれる大異変