著者のコラム一覧
田崎健太ノンフィクション作家

1968年、京都市生まれ。ノンフィクション作家。早大卒業後、小学館入社。「週刊ポスト」編集部などを経て、99年末に退社。著書に「W杯に群がる男たち―巨大サッカービジネスの闇 」(新潮文庫)、「偶然完全 勝新太郎伝」(講談社+α文庫)、「真説・長州力 1951-2018」(集英社文庫)、「電通とFIFA」(光文社新書)、「真説・佐山サトル」(集英社インターナショナル)、「ドラガイ」(カンゼン)、「全身芸人」(太田出版)など多数。

ブラジルの敗因は“セレソンの個性”が消えたからだ

公開日: 更新日:

 ジェズスは2015年3月にブラジルのパルメイラスでデビュー、17年12月にイングランドのマンチェスターCに移籍している。19歳のときである。また、今回のセレソンの攻撃的な選手、コウチーニョはデビューから19試合で、イタリアのインテル・ミランに青田買いされた。

 サントスで南米一などのタイトルを獲得し、実績を残した上でバルセロナに移籍したネイマールはともかく、ほとんどの選手は10代の早い段階で欧州の名門クラブに移籍している。生まれはブラジルであっても「欧州」育ちなのだ。世界がセレソンを恐れたのは、華麗な技術に加えて、ディフェンダーの裏をかくような予測できないプレーがあったからだ。

 ベルギーは日本戦で見せたように、守備が堅く、素早いカウンター攻撃のチームだった。フィジカルと規律があるベルギーの守備を破るのは「個」の創造性である。

 ところが、今回のセレソンはネイマールを封じられると、身動きが取れなくなった。点取り屋がおらず、イマジネーションのない“欧州育ち”の選手ばかりのブラジルが勝ち上がれなかったのは必然だった。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    米倉涼子“自宅ガサ入れ”報道の波紋と今後…直後にヨーロッパに渡航、帰国後はイベントを次々キャンセル

  2. 2

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 3

    彬子さま三笠宮家“新当主”で…麻生太郎氏が気を揉む実妹・信子さま「母娘の断絶」と「女性宮家問題」

  4. 4

    アッと驚く自公「連立解消」…突っぱねた高市自民も離脱する斉藤公明も勝算なしの結末

  5. 5

    ヤクルト池山新監督の「意外な評判」 二軍を率いて最下位、その手腕を不安視する声が少なくないが…

  1. 6

    新型コロナワクチン接種後の健康被害の真実を探るドキュメンタリー映画「ヒポクラテスの盲点」を製作した大西隼監督に聞いた

  2. 7

    違法薬物で逮捕された元NHKアナ塚本堅一さんは、依存症予防教育アドバイザーとして再出発していた

  3. 8

    大麻所持の清水尋也、保釈後も広がる波紋…水面下で進む"芋づる式逮捕"に芸能界は戦々恐々

  4. 9

    “行間”を深読みできない人が急増中…「無言の帰宅」の意味、なぜ分からないのか

  5. 10

    万博協会も大阪府も元請けも「詐欺師」…パビリオン工事費未払い被害者が実名告発