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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

早くも始まった…“酷暑”東京オリンピックの責任逃れ

公開日: 更新日:

 クソ暑い日が続く。あまり暑いからか、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の森喜朗会長は、サマータイム導入まで言い出した。

 まるでお天道様が悪いような言い分である。今のうちに、酷暑オリンピックの責任の所在を明確にしておきたい。

 こんな時季になぜやるか――この疑問に対し、国際オリンピック委員会(IOC)の米国テレビ局の高額放映権料が目当てだという説がまことしやかに流れている。とんでもないイチャモンだ。

 夏季大会は1992年のバルセロナ大会以降、南半球のシドニー大会を例外にしてこの時季に開催されている。バルセロナ大会といえば、ベルリンの壁崩壊後、初めての大会で、アパルトヘイト政策を撤回した南ア共和国を迎え、キューバが初めて野球チームを連れて参加するなど、質的に大きく前進した大会だった。IOCはここから、多くの国、多くの人の参加を可能にする理想を進め、最も人が移動しやすいこの時季を大会期間に指定したのだ。

 21世紀に入ってから、北京大会、南米大陸で初のリオデジャネイロ大会、冬季ではロシアのソチなどを開催地に選んだ背景も、オリンピックの拡大路線で、その結果、アフリカ、アラブ、カリブの選手も活躍するようになり、テレビ視聴率も高騰した。

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