著者のコラム一覧
田中浩康

1982年、京都生まれの36歳。尽誠学園高(香川)、早大を経て、04年自由獲得枠でヤクルト入団。17年にDeNA移籍し、18年限りで現役引退。プロ通算14年、1292試合出場、1018安打、歴代5位の302犠打をマーク。二塁手としてベストナイン2回(07年、12年)、ゴールデン・グラブ賞1回(12年)。

僕が救われたラミレスさんの口グセ “Today is a new day”

公開日: 更新日:

 引きずっていてはダメだ。今日の試合、とにかく思い切って振ろう――。そう思って臨んだ中日戦、僕は全打席でできる限りのフルスイングをしました。3打席目。がむしゃらにスイングした打球がショート後方に上がります。落ちてくれ――。祈る気持ちでした。レフトとの間に打球はポトリ。34打席ぶりに「H」の赤いランプがともりました。

■「君はスタメンを勝ち取った」

 そんなことがありながら、僕はその年、初めて、二塁手部門でベストナインを受賞できました。ラミレスさんのアドバイスがなかったら、取れていなかったかもしれません。

 それから10年。DeNAに移籍して、ラミレスさんを「ラミレス監督」と呼ぶことになります。

 移籍1年目の17年、僕は一軍キャンプに呼ばれました。キャンプ中盤、ラミレス監督から特守の指令を受けました。右へ左へノックの嵐。30分くらいで終わると思ったら、1時間以上も続きました。ヤクルト時代の最後の2年間は二塁から離れ、主に外野を守っていました。内野手としてのリズムを取り戻そうとボールに食らいつきました。ユニホームにへばりついた土のにおいに、本能が呼び起こされる気がしました。

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