真央以来の快挙 紀平梨花“3Aの先”が生んだ強心臓と対応力

公開日: 更新日:

「紀平選手は、練習では4回転サルコーを跳べます。3Aよりもさらにハイレベルな技を練習する環境にいるため、本番でも余裕を持ってとっさの対応ができる。構成に関しても『この構成で失敗したら、こうカバーしよう』ということを常に考えながらやっています。紀平選手自身、頭も良い。ご両親は特に厳しくなく自分でとことん突き詰めるタイプ。お姉さんがスケートでうまくいかなかったことが教訓になっている部分もあります。体重管理や意志のコントロールができるのです。中野友加里さん、浅田真央さん、村上佳菜子さんも姉がスケート経験者です」

 紀平を指導する浜田美栄コーチはこれまで、宮原知子(20)ら多くのトップ選手を輩出してきた。その浜田コーチの努力も実を結んだ。

「浜田チームのジュニアは、すでに3Aを跳べる選手がたくさんいます。その一方、シニアになって跳べなくなる選手も。浜田先生はそれを変えようと外国人コーチを招聘したり、恒例の1カ月間の海外夏合宿の場所を例年の米コロラドから変えて、(トリノ五輪銀メダリストの)ステファン・ランビエールの元へ行ったりもしていました。その成果か、浜田チームの選手は2年ほど前からジャンプの跳び方が明らかに変わりました。以前は肩が前かがみの状態で入っていたのですが、肩を後ろに引いて胸を張って跳ぶ姿勢に変わった。紀平選手もそのひとり。このフォームに修正したことで余裕を持って軽く跳んでいるように見えます」(梅田香子氏)

 メンタルの強さと対応力は「真央以上」だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  3. 3

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 4

    阪神・大山を“逆シリーズ男”にしたソフトバンクの秘策…開幕前から丸裸、ようやく初安打・初打点

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    創価学会OB長井秀和氏が明かす芸能人チーム「芸術部」の正体…政界、芸能界で蠢く売れっ子たち

  2. 7

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 8

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  4. 9

    大死闘のワールドシリーズにかすむ日本シリーズ「見る気しない」の声続出…日米頂上決戦めぐる彼我の差

  5. 10

    ソフトB柳田悠岐が明かす阪神・佐藤輝明の“最大の武器”…「自分より全然上ですよ」