著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

トランプ政権の“壁”乗り越えてメキシコに歩み寄る大リーグ

公開日: 更新日:

 67年にはAAA級に昇格したものの、LMBがマイナーリーグであることに変わりはない。そして、大リーグ球団が傘下のマイナーリーグ球団から選手を昇格させる際に球団に対して契約金の一定額を一時金として支払うことがないように、LMBも選手が大リーグ球団と契約しても、従来所属していた球団に金銭が支払われることはなかった。

 それだけに、大リーグ機構とLMBは歴史的な関係の見直しを行ったことになる。

■経営者の意欲が低下

 今回の措置は、大リーグ機構の危機感の強さを示すものでもある。伝統的にサッカーが盛んなメキシコでは現在、野球に対する支持が低下しており、市場の開拓と観客の獲得が重要な課題となっているのだ。

 これまでのように、どれだけLMBの球団が優秀な人材を育成しても、大リーグ球団が対価を支払わずに選手を引き抜けば、経営者の意欲は低下するし、人気選手の不在が経営に悪影響を及ぼしかねない。

 しかし、これからは新協定の締結によって一時金が支払われることで、経営者の意欲は向上するし、設備投資のための費用も得られることになる。

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