恩師が明かす小出監督 指導者への第一歩と知られざる苦悩

公開日: 更新日:

 練習は真面目だった。箱根駅伝は1年5区、2年8区、3年は8区を走った。4年は故障で欠場だ。在学中は関東インカレのマラソンで3位になったこともある。彼は運が良かった。小出君の学力では無理だと思っていたんだが、千葉県の公務員試験(公立学校教員採用試験)に一発で合格。長生高校の教師になって、念願の陸上指導者になった。でも、佐倉の自宅から遠く、数年後には地元の佐倉高に移ったよ。

 後に船橋市教育長になる市立船橋高校の市川(恭一郎)校長から『全国高校駅伝で優勝したい。誰かいい指導者はいませんか』と相談された。市川校長とは彼が市立習志野高の教諭時代からの知り合いでね。それならと、指導力を買っていた小出君を紹介したんだ。すると3年ぐらいしたら全国駅伝で優勝した。そしたら2年後にリクルート(ランニングクラブ)の監督になった。私に何の報告もないから怒ったね。それを人づてに聞いたんだろうな。まったく音沙汰なしだったが、2年ぐらいしたら自宅に訪ねてきたんだ。玄関で追い返したよ。『帰れ!』ってね。まあ、リクルートで出会った有森、高橋という平凡な選手をオリンピックのメダリストにするんだから、本当に指導力は素晴らしいものがあった。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 2

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  4. 4

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  5. 5

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    今度は横山裕が全治2カ月のケガ…元TOKIO松岡昌宏も指摘「テレビ局こそコンプラ違反の温床」という闇の深度

  3. 8

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    大谷翔平のWBC二刀流実現は絶望的か…侍J首脳陣が恐れる過保護なドジャースからの「ホットライン」