恩師が明かす小出監督 指導者への第一歩と知られざる苦悩

公開日: 更新日:

「危篤の連絡を受けたのは3週間前だったな……」。陸上女子長距離の指導者として2000年シドニー五輪マラソン金メダルの高橋尚子、1992年バルセロナ銀、96年アトランタ銅の有森裕子ら数々の名選手を育てた小出義雄氏(80)が24日午前、千葉県内の病院で肺炎のため死去した。その一報を聞いた順大時代の恩師で元陸連専務理事の帖佐寛章氏は、冒頭の言葉とともに無念の表情を見せた。小出氏が指導者の道に進むことができたのは、帖佐氏の助けが大きかった。

  ◇  ◇  ◇

 小出君は家業(農家)を継ぐため千葉県立山武農業高に進んだ。全国高校駅伝を走り、東京―青森駅伝の千葉県代表にもなっている。

 その後、家を飛び出して実業団に進むのだが、『どうしても順大に入って、将来は体育の教師になりたい』といって相談に来た。22歳の時だったかな。当時私は順大の監督だったので、グラウンドを走らせると背が小さくてチョコチョコしてるが、箱根駅伝なら走れると判断したものの、うちの大学は4浪は取らなかった。私は大学と交渉し、受験勉強の面倒も見た。試験は無事通ったが、順大は全寮制だ。ところが小出君は『うちは貧乏農家で寮費は払えません』という。また大学と交渉し、自宅通いを認めてもらった。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    名球会入り条件「200勝投手」は絶滅危機…巨人・田中将大でもプロ19年で四苦八苦

  2. 2

    永野芽郁に貼られた「悪女」のレッテル…共演者キラー超えて、今後は“共演NG”続出不可避

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    07年日本S、落合監督とオレが完全試合継続中の山井を八回で降板させた本当の理由(上)

  5. 5

    巨人キャベッジが“舐めプ”から一転…阿部監督ブチギレで襟を正した本当の理由

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    高市早苗氏が必死のイメチェン!「裏金議員隠し」と「ほんわかメーク」で打倒進次郎氏にメラメラ

  4. 9

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  5. 10

    三角関係報道で蘇った坂口健太郎の"超マメ男"ぶり 永野芽郁を虜…高畑充希の誕生日に手渡した大きな花束