新人を酷使する日本プロ野球 選手の反動と劣化が心配だ

公開日: 更新日:

 後日、森下を見たというメジャースカウトのひとりに電話で印象を聞くと、こんな答えが返ってきた。

「球威はあるし、素材としては申し分ないが、ストレートの細かいコントロールがない。テークバックで上体がかなり後ろに反り返っているためだろう。それに年間通して長いイニングを投げる体力やスタミナも疑問だ。仮に1年目からいきなり使ったとしても途中でバテるだろうし、疲れてくればコントロールもますます悪化する。体力がないのに無理をさせればケガも心配だ」

 日本では高校生ルーキーが早くも一軍で勝利投手になって話題を集めているが、プロ入りして半年程度の新人をいきなりフル回転させれば「即戦力」と言われる大学生だろうと反動が生じる。

 例えばDeNAの浜口遥大は1年目に10勝しながら、2年目は左肩の違和感で出遅れて4勝止まり。広島大瀬良大地も1年目に10勝して新人王を獲得したが、2、3年目はともに3勝だった。

 メジャーのスカウトが森下の投球に注目するのは、将来、米国でプレーする可能性があるからだが、楽しみな素材が日本のプロ野球を経ることで劣化しないか心配ではある。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  2. 2

    長嶋茂雄引退の丸1年後、「日本一有名な10文字」が湘南で誕生した

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  5. 5

    ドジャースが村上宗隆獲得へ前のめりか? 大谷翔平が「日本人選手が増えるかも」と意味深発言

  1. 6

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  2. 7

    レーダー照射問題で中国メディアが公開した音声データ「事前に海自に訓練通知」に広がる波紋

  3. 8

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  4. 9

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  5. 10

    巨人が現役ドラフトで獲得「剛腕左腕」松浦慶斗の強みと弱み…他球団編成担当は「魔改造次第」