阪神株主総会で露呈 野球素人の“お偉方”が肩で風切る不安

公開日: 更新日:

 決して、無風だったとは片付けられない。

 13日に行われた阪神タイガースの親会社、阪急阪神ホールディングス(HD)の株主総会。株主のひとりがドラフトについて、「他球団のスカウトは腹を抱えて笑っている。ドラフトで笑いをとる必要はない。回転ずしにたとえると、大トロやウニの皿が目の前を流れているのに手を出さず、タコやイカの皿からとっていくというのが毎年の印象」と言ったのだ。

■編成トップがへそ曲がり

 マスコミではこの「回転ずし」が大きく取り上げられたが、一方でこの株主はこうも言っている。

「元球団社長の野崎(勝義)さんが『優秀なスカウトこそ、スカウトしてこい』と言っているという記事を読んだ。スカウトが悪いのか編成トップがへそ曲がりなのか、親会社を含めてフロントに正しい判断ができる人がいないのかわからないが、原因は必ずあるはずだ」

 この指摘に株主への回答者だった阪神電鉄の百北幸司常務は、通り一遍の言葉を並べた揚げ句、今季のドラフト1位新人の名前を近本ではなく木浪と言い間違える始末。阪急阪神HDの角会長から、昨年ドラフトの方針の説明を促されるシーンもあった。終始、アタフタしていた。

 球団トップの藤原崇起オーナーは別の株主から外部取締役の不在を指摘され、「球団役員はどの球団も、ほぼ親会社からの発展形になっている。ほぼ社外取締役はいないと認識している。阪神の球団職員の中にも、いろんな経験をしている者がいる。そのあたりが意見を交わし、新しいタイガースを模索している。ハイブリッドな経営になっているかと思っている」と回答したが、さる阪神OBはこう言う。

「阪神の役員は、揚塩健治社長ら出向者を含め、親会社の役員で構成されている。部長、課長職も電鉄の社員が多い。外部出身や選手上がりは部長に昇進できれば御の字です。阪神は、『電鉄出身のお偉いさん』が動かしている。こうした閉鎖的な会社の体質が、2005年以降、優勝から遠ざかる要因を招いているといっていい」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  2. 2

    「対外試合禁止期間」に見直しの声があっても、私は気に入っているんです

  3. 3

    箱根駅伝3連覇へ私が「手応え十分」と言える理由…青学大駅伝部の走りに期待して下さい!

  4. 4

    「べらぼう」大河歴代ワースト2位ほぼ確定も…蔦重演じ切った横浜流星には“その後”というジンクスあり

  5. 5

    100均のブロッコリーキーチャームが完売 「ラウール売れ」の愛らしさと審美眼

  1. 6

    「台湾有事」発言から1カ月、中国軍機が空自機にレーダー照射…高市首相の“場当たり”に外交・防衛官僚が苦悶

  2. 7

    高市首相の台湾有事発言は意図的だった? 元経産官僚が1年以上前に指摘「恐ろしい予言」がSNSで話題

  3. 8

    AKB48が紅白で復活!“神7”不動人気の裏で気になる「まゆゆ」の行方…体調は回復したのか?

  4. 9

    大谷翔平も目を丸くした超豪華キャンプ施設の全貌…村上、岡本、今井にブルージェイズ入りのススメ

  5. 10

    高市政権の「極右化」止まらず…維新が参政党に急接近、さらなる右旋回の“ブースト役”に