著者のコラム一覧
元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

「ミネイロンの惨劇」を目の当たりにしたベロオリゾンテへ

公開日: 更新日:

6月21日 金曜日

 20日のウルグアイ戦(ポルトアレグレ)を2-2のドローに持ち込み、2019年コパ・アメリカ(ブラジル)8強の望みをつないだ日本。彼らはエクアドルとの最終決戦の地ベロオリゾンテへと移動した。2013年コンフェデ杯でメキシコに1-2で敗れたこの街で、当時を知る川島永嗣(ストラスブール)と岡崎慎司(レスター)擁する森保ジャパンは、南米大陸での南米勢初勝利を挙げられるのか。過去12戦未勝利の不名誉な記録を払拭しなければならない。

 ◇  ◇  ◇

 日本代表は昼のチャーター便で移動したが、我々メディアは夕方の練習に間に合うために乗継便を選ぶしかなかった。

 前夜のウルグアイ戦後、ホテルに帰ったのが1時半。時差12時間の日本はすでに昼過ぎで待ったなしの作業が必要。睡魔と戦いながらの原稿執筆は過酷以外の何物でもない。ほぼ徹夜となり、朦朧とした状態で早朝にポルトアレグレ空港へ。サンパウロ経由で14時にベロオリゾンテ入りした。1本目のフライトが遅れ、乗り継ぎ時間が短くなり、荷物の未着を心配したが、事なきを得てまずは安堵。

 ベロオリゾンテ訪問は3度目。最初は2013年コンフェデ杯だ。6年前は高熱が出た状態でレシフェから移動して、いきなり寝込んだ記憶がある。2度目の2014年ブラジルW杯の際は、左腕にギブスをはめながら準決勝でブラジルがドイツ戦に1-7で惨敗した「ミネイロンの惨劇」を目の当たりにした。まともな体調での現地入りは今回が初めて。そういう意味でも「南米を苦手とする日本に新たな風が吹くのではないか」と勝手に期待しているところだ。

 標高800mの高地にあるミナスジェライス州の州都ベロオリゾンテは人口250万。ブラジル6番目の巨大都市だ。金曜日のせいか、セントロは人で溢れ返り、凄まじい活気に満ちていた。スーパーの混雑ぶりも想像以上。レジで待っていると、お客の計算中にレジ担当の勤務時間が終了したのか、そこで引き上げてしまい、次のスタッフがお金を持って現れた。日本だと接客中の職務打ち切りという文化はないが、ブラジルでは当たり前のようだ。ようやく自分の順番が来て、50レアル(約1500円)紙幣を出すと「おつりがない」と新担当は困惑。どこかへ両替に行ってしまい、また時間のロスが生じることに。買い物1つするだけでここまで労力がかかるのか……徹夜明けの体にはかなり堪える。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • サッカーのアクセスランキング

  1. 1

    JリーグMVP武藤嘉紀が浦和へ電撃移籍か…神戸退団を後押しする“2つの不満”と大きな野望

  2. 2

    FW大迫勇也を代表招集しないのか? 神戸J連覇に貢献も森保監督との間に漂う“微妙な空気”

  3. 3

    W杯最終予選で「一強」状態 森保ジャパン1月アジア杯ベスト8敗退からナニが変わったのか?

  4. 4

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 5

    W杯8強へ森保J「5人の重要人物」 頭痛の種は主将・遠藤航の後継者…所属先でベンチ外危機

  1. 6

    待望の独1部初ゴール!元軍人の父を持つ帰国子女の日本人DFが代表CBに殴り込み…森保監督も用意周到に“手当済み”

  2. 7

    なでしこ史上初「外国人監督誕生」に現実味…池田太監督の退任の裏にJFA会長の強い意向

  3. 8

    Rソシエダ久保建英が英リバプール入りなら遠藤航は“玉突き放出”へ…11月はゴラッソ連発で存在感マシマシ

  4. 9

    45歳で引退…元日本代表MF稲本潤一「指導者の資質」 識者は“独特の武器”に太鼓判

  5. 10

    もう「草サッカーのレベル」なのに…キング・カズ「還暦プロサッカー選手」に現実味

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 4

    大山悠輔に続き石川柊太にも逃げられ…巨人がFA市場で嫌われる「まさかの理由」をFA当事者が明かす

  5. 5

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  3. 8

    どうなる?「トリガー条項」…ガソリン補助金で6兆円も投じながら5000億円の税収減に難色の意味不明

  4. 9

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  5. 10

    タイでマッサージ施術後の死亡者が相次ぐ…日本の整体やカイロプラクティック、リラクゼーションは大丈夫か?