「監督室の鍵をかけられ顔と頭を5発」ある現役選手の告白

公開日: 更新日:

 そう言う高橋氏はアマチュア野球の指導者に転じて鉄拳指導を封印したが、プロのコーチ時代は「選手に手を上げたことはある」と告白する。

■マウンドから一目散に逃げた投手

 巨人で二軍投手コーチを務めていたある年の試合中、それまで8回無失点の好投を続けていた藤城和明が九回に入って1死から2点を失った。

「ベンチを出て『あとツーアウトで完投だ、踏ん張れ』とハッパをかけに行こうとマウンドに向かったら、藤城が三塁ベースに向かって一目散に駆けだした。あとで『殴られるかと思って』と聞いたときには、やはり考えさせられた。厳しくしたのは愛情のつもりだったが、どういう理由があっても手を上げるのはいけません。今の時代はなおさらです」(高橋氏)

 鉄拳制裁と言えば、星野仙一氏(故人)が有名だった。高橋氏は「さすがに拳で選手を殴ったことはない」というが、闘将はもっと苛烈で顔面が変形するほど選手を殴った。

 ロッテから中日に移籍して、それを目の当たりにしたのが落合博満元監督だった。星野氏が2度目の中日監督を退任した3年後、チームを率いることになった落合元監督は契約前のコーチ陣一人一人に、

【いかなる理由があっても選手には手を上げてはいけない。守れなかった場合は解雇する】

 と記した念書を差し出し、そこへサインすることを正式契約の条件にしたのだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  2. 2

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  3. 3

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  1. 6

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  2. 7

    JLPGA専務理事内定が人知れず“降格”に急転!背景に“不適切発言”疑惑と見え隠れする隠蔽体質

  3. 8

    「俳優座」の精神を反故にした無茶苦茶な日本の文化行政

  4. 9

    (72)寅さんをやり込めた、とっておきの「博さん語録」

  5. 10

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動