選手殴った広島・緒方監督は厳重注意 プロ野球の時代錯誤

公開日: 更新日:

「昔はよく聞いたが、今のプロ野球界でもまだこんなことが行われているとは信じられませんね」

 呆れ顔でこう語るのは、プロ野球に関する著書もある工藤健策氏(スポーツライター)だ。

 今週発売の「週刊新潮」が報じて明るみに出た広島緒方監督の野間に対する暴力行為。広島は24日、緒方監督を7月15日付で厳重注意処分としたことを発表した。

 広島といえば、12球団で最も練習が厳しいだけでなく、かつてはコーチ、監督の暴力指導は当たり前。練習や試合中の鉄拳や足蹴りの他に、選手は合宿所でも殴られていた時代があった。緒方監督は今回、野間の怠慢走塁に怒り、複数回たたいたそうだが、佐賀県の鳥栖高から1986年のドラフトで広島入りした監督自身も、“洗礼”を受けて育ったひとりではないか。だから、選手を殴ることへの抵抗感がないのだろう。

「2013年に女子柔道の強化選手に対する暴力、暴言等で監督が辞任。女子の体操レスリングのパワハラも社会問題になり、遅ればせながらスポーツ界の選手と指導者の関係が改善されてきたと思っていたら、野球界の頂点にあるプロ野球の、それも一軍の監督が今も選手を殴っているなんてショックというか、残念です。しかも、広島は厳重注意処分という甘い処分で、日本野球機構(NPB)も追加処分はしない方針だという。辞任しろとまでは言いませんが、緒方監督本人が暴力行為を認めているのですから、NPBは一定期間、または数試合は出場停止にするなど、厳しい処分を科すべきです。そうすることで、『プロ野球界は理由は問わず、暴力を絶対に許さない』ということをアピールすることにもなる。球界は暴力指導に目をつむってきた過去がある。今回の事件もこんな大甘処分で終わらせていいのでしょうか」(前出の工藤氏)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?