著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

虎・梅野の報道に疑問 捕手が全試合出場することの危険性

公開日: 更新日:

 しかし、先日の一部ニュースで梅野が自主トレの様子を公開し、「阪神では城島以来となる全試合先発出場を目指す」と報じられたことには少し疑問を抱いた。梅野自身がそれを目指しながら汗を流すのは非常に頼もしいことなのだが、その一方で日本では「全試合先発出場」というものが、今もなお大きな名誉とされていることに旧弊じみたものを感じる。そもそも全試合出場とは、選手個人にとっては果たしたい目標かもしれないが、チームとしてはどうなのだろう。とりわけチームの中長期的ビジョンを考えると、捕手の全試合出場は利よりも害のほうが大きいように思う。

 この場合の害とは他の捕手の出場機会、つまり育成のための経験の場を奪うということだ。ただでさえ、捕手とは育成が難しい唯一無二のポジションで、実戦経験の積み重ねが重要だとされている。だから、たとえば梅野が全試合マスクを続けたとしたら、その間は他の捕手の実戦経験が乏しくなり、若手の育成計画が途絶えることになってしまう。そんな中、もしも梅野が故障離脱したり衰えてきたりしたら、代替の捕手や次世代捕手はどうするのか。また、正捕手不在の時代に逆戻りするのではないか。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  2. 2

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 3

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  4. 4

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  5. 5

    2025年は邦画の当たり年 主演クラスの俳優が「脇役」に回ることが映画界に活気を与えている

  1. 6

    真木よう子「第2子出産」祝福ムードに水を差す…中島裕翔「熱愛報道」の微妙すぎるタイミング

  2. 7

    M-1新王者「たくろう」がネタにした出身大学が注目度爆上がりのワケ…寛容でユーモラスな学長に著名な卒業生ズラリ

  3. 8

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  4. 9

    高市政権の積極財政は「無責任な放漫財政」過去最大122兆円予算案も長期金利上昇で国債利払い爆増

  5. 10

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手