履けば好記録という打ち出の小槌…厚底ナイキの故障リスク

公開日: 更新日:

 今年の箱根駅伝に出場した大学のある関係者もこう語っていた。

「後半にバテる選手が少なくなったことは確かですが、厚底を履けば誰でも記録が伸びるというものではない。アキレス腱や足首、膝の痛みを訴える者も多かった。履きこなすためのトレーニングが必要です」

 体の構造について詳しいフィジカルトレーナーの平山昌弘氏が言う。

「このシューズはアフリカ勢の走り方を分析して作られたものだと推測します。マラソン指導者はよく、『腕を振れ』と言うが、アフリカ選手のフォームは上半身に無駄な力が入っておらず、腕はリズムをとっているだけ。やや前傾姿勢で骨盤近くから上半身をひねり、その反動で脚が前に出ています。ナイキは体を俯瞰的に見て、上半身と下半身が連動したとき、両足はどう動くのかということに着目したはずです。そこが日本のメーカーとは違うところではないか。ソールに傾斜のあるこのシューズを『坂道に立っているみたい』と表現する人がいる。それはアフリカ勢の走りを研究した結果でしょう」

 そういえばあるテレビ番組で、マラソンの日本記録保持者である大迫傑は、アフリカ選手の前傾フォームと自分の立っているフォームとの違いに気がつき、今まで以上に背筋を鍛えだしたと語っていた。もちろん、大迫も厚底シューズで記録を伸ばしたひとりだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃